電力システム改革論を斬る!
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2017/07/27
容量メカニズムの必要性と必然性
IEAが2016年3月に発表したレポート『電力市場のリパワリング:低炭素電力システムへの移行期における市場設計と規制』(IEA(2016))は、再生可能エネルギーの大量導入で先行する欧米の電力システムにおける課題を分析し、低炭素電力システムへの転換に不可欠な電力市場のリパワリング(再構築)の必要性を論じた有益なレポートである。 続きを読む
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2017/01/18
英国のゾーン別送電線利用料金
-ゾーン別料金の算出方法について-現在日本の託送料金については,経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会の制度設計専門会合において,託送料金の発電事業者への発電容量課金が検討されており,さらには発電所の立地を考慮した料金(地点別料金,ゾーン別料金)とすることも検討されている。 続きを読む
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2016/08/08
電源のパフォーマンスを評価するアンシラリーサービス制度
米カリフォルニア州の取り組み1.はじめに
我が国では、政府が進めている一連の電力システム改革の中で、2020年度に発送電分離(送配電部門の法的分離)が予定されている。 続きを読む
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2016/04/08
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第15回
日本のミッシングマネー問題対策をどうするか前回説明したとおり、日本においても、ミッシングマネー問題の顕在化は想定され、その対策として、広域機関による電源入札の仕組みが導入される。他方、comprehensiveな容量メカニズムも将来の導入をにらんで検討課題となっている。 続きを読む
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2016/04/01
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第14回
日本ではどうなりそうか電力システム改革と再生可能エネルギー(自然変動電源)の政策支援による大量導入は、日本でまさにこれから起ころうとしていることであるので、日本でもミッシングマネー問題の顕在化が想定される。 続きを読む
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2016/03/09
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第13回
投資家は過少な電源投資しかしない今回は、kWh市場の持つ課題と容量メカニズムの意義について、少し視点を変えて考察してみる。Keppler(2014)を参考にした。
<理論的には、投資家は最適な投資をする>
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2016/02/10
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第12回
もう一つのプライススパイク発現策 運転予備力需要曲線(ORDC)これまで繰り返し述べてきたが、ミッシングマネーを解消する方策には二つの考え方がある。 1) comprehensiveな容量メカニズムを導入する考え方と 2) 特定の時間帯に発現するプライススパイクに期待する考え方である。 続きを読む
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2016/02/02
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第11回
電力市場2.0をどう評価するか(ドイツ)ドイツ政府は、ミッシングマネー問題を解消し、柔軟かつ持続可能な電力市場を構築する政策として、電力市場2.0を推進する方針を決定した。 続きを読む
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2016/01/26
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第10回
容量予備力導入の狙いを考える(ドイツ)ドイツ政府は、電力システム改革及び再生可能エネルギー(自然変動電源)大量導入の帰結としてミッシングマネー問題に直面している中、その解決策として、kWh市場の改革(電力市場2.0)を進める方針を打ち出した。その一方で、不測の事態へ対応する保険的制度として、容量予備力を導入することとしている。 続きを読む
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2016/01/06
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第9回
問題が顕在化するドイツで電力市場改革の動き今回より3回に分けて、ドイツの電力市場改革を取り上げる。ドイツは、再生可能エネルギーの導入を積極的に進めた結果、自然変動電源(太陽光発電と風力発電)の発電電力量に占めるシェアが2014年実績注38)で15%となっており、その帰結としてミッシングマネー問題が顕在化している。 続きを読む
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2015/12/22
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第8回
プライススパイクに依存するリスク③第6回から、kWh市場におけるプライススパイクにミッシングマネー解消を依存することについて、筆者が考える3種類のリスクを取り上げている。今回が最後である。 続きを読む
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2015/12/09
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第7回
プライススパイクに依存するリスク②前回より、kWh市場におけるプライススパイクにミッシングマネー解消を依存するリスクを取り上げている。今回は、筆者が考える3種類のリスクのうち、第二のリスクについて述べる。 続きを読む
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2015/12/02
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第6回
プライススパイクに依存するリスク①第5回では、DRを電源ミックスに織り込むことにより、プライススパイク(kWh市場価格が電源の限界費用を大きく超える水準に上昇すること)が一定頻度発現し、ミッシングマネーが解消される可能性を示した。 続きを読む
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2015/11/24
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第5回
プライススパイクがミッシングマネーを解消する理屈 -
2015/11/16
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第4回
comprehensiveな容量メカニズムがミッシングマネーを補う前回までで示したとおり、電力システム改革と政策支援による再生可能エネルギー(自然変動電源)の大量導入が進行すれば、電気を安定的に供給するために必要な従来型電源を維持することが難しくなる。 続きを読む
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2015/11/06
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第3回
再生可能エネルギー大量導入の帰結② -
2015/10/30
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第2回
再生可能エネルギー大量導入の帰結① -
2015/10/23
ミッシングマネー問題にどう取り組むか 第1回
電力システム改革の帰結<はじめに>
ミッシングマネー(missing money)問題は、自由化された電力システムが抱える大きな課題である。 続きを読む
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2014/07/22
新電気事業法における供給能力確保義務を考える(続)
インバランス料金議論に関する補論政府が進めている電力システム改革議論の主要論点に、インバランス料金の見直しがある。中でも、余剰側と不足側のインバランス料金注1)に価格差を設けるかどうかが大きな論点となっているが、議論に混乱があるように感じられる。 続きを読む
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2014/07/09
新電気事業法における供給能力確保義務を考える
2014年6月11日、第186回通常国会において、改正電気事業法が成立した。これは、政府が進めている電力システム改革の3つの段階のうちの第2段階にあたるもので、これまで契約電力50kW以上の大口需要家に限定されていた、電力小売りへの参入を全面自由化することを規定している。 続きを読む