誤解だらけのエネルギー・環境問題
-
2015/12/07
【動画】経団連国際環境戦略WG座長手塚氏に聞く「COP21への期待」
撮影:現地時間 2015年12月5日(土)経団連国際環境戦略WG手塚座長に、COP21への期待を語っていただきました。残念ながら京都議定書が実効性ある気候変動対策とはなりえなかったことを踏まえ、2020年以降の枠組みはどうあるべきかをコメントしていただきました。 続きを読む
-
2015/12/07
総論 ―再生可能エネルギー 普及政策を問う―
再生可能エネルギーの導入拡大は必要だ。このことに異論がある方はいないだろう。しかし、どういうペースで、どの程度の国民負担を許容しながら導入していくかについては議論の必要がある。再生可能エネルギーはエネルギーを作る手段であり、目的ではないからだ。 続きを読む
-
2015/11/12
「欧州の優等生」の危うさ、明らかに
書評:三好 範英 著「ドイツリスク 「夢見る政治」が引き起こす混乱」(電気新聞からの転載:2015年10月30日付)
ドイツは2015年には46年ぶりに新規国債発行をゼロとするなど、「欧州の優等生」と評されている。日本の国民の中には「欧州の病人」と呼ばれていたころのドイツの記憶は残っておらず、欧州経済のけん引役であり、「エネルギー転換」という社会変革の旗手としての姿が強調されて伝わっているように思う。 続きを読む
-
2015/10/20
我が国の全量固定価格買取制度はどう見直されるべきか
再生可能エネルギーを少しでも多く導入したいのであれば、コストを抑えて効率的に導入しなければならない。お財布には限りがあるのだから、できるだけコストを抑えなければ再エネを多く導入することは望めない。普段の買い物では、どこのスーパーで買い物をすれば同じものを少しでも安く購入できるか、主婦は毎朝のチラシチェックなど含めて当然やりくりの工夫をするものだ。 続きを読む
-
2015/10/14
温暖化国際交渉の本質と日本の取るべき戦略
~ 世界に誇る日本の技術力と経験を生かし、世界全体の排出量削減に貢献を~(月刊『公明』2015年11月号にからの転載)
1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて国連気候変動枠組み条約が採択されてから、早くも20年以上が経過した。 続きを読む
-
2015/10/05
最前線知る著者の「現実的提言書」
書評:有馬 純 著「地球温暖化交渉の真実 - 国益をかけた経済戦争」(電気新聞からの転載:2015年9月11日付)
本書は日本政府交渉官としてその最前線に長く身を置いた有馬純氏による交渉の真実と、今後に向けた現実的な提言の書である。 続きを読む
-
2015/08/17
ドイツの電力事情⑰ 再エネ大量導入下における供給力確保策
ドイツ連邦経済エネルギー省は7月3日、ホワイトペーパーを公表、卸市場の改革とあわせ、容量リザーブ(戦略的予備力制度)を導入することを明らかにした。 続きを読む
-
2015/08/05
ドイツの電力事情⑯ ドイツの温暖化対策はどう動く(その2)
-CO2排出課税案は断念-前回ドイツの電力事情⑭で、勇ましい目標とは裏腹に温室効果ガス削減は進んでおらず、現状では目標達成が危うくなっていることをご紹介した。 続きを読む
-
2015/07/31
日本の2030年目標はどのように決まったか(2)
ー「国民運動」への期待(下)ー(前回は、「日本の2030年目標はどのように決まったか(2)ー「国民運動」への期待(上)ー」をご覧ください)
前回は、日本の掲げた高い温暖化目標を達成するには相当の省エネが必要であり、特に民生部門の省エネを確実に実施していかなければならないこと、 続きを読む
-
2015/07/23
日本の2030年目標はどのように決まったか(2)
ー「国民運動」への期待(上)ー(前回は、「日本の2030年目標はどのように決まったか(1)」をご覧ください)
4月30日に日本の約束草案の概要が示されるまで全7回開催された約束草案検討WGにおいて、繰り返し議論に登場した言葉がある。 続きを読む
-
2015/07/15
データ分析に基づいた議論が重要
書評:金子 祥三・ 前田 正史/東京大学生産技術研究所エネルギー工学連携研究センター 著「世界の中の日本 これからを生き抜くエネルギー戦略 」(電気新聞からの転載:2015年7月10日付)
エネルギー戦略とはすなわち、国の生き残りを賭けた作戦なのである。化石燃料資源に恵まれず、本来エネルギーが無いのが当たり前の我が国は、その手厚いエネルギー政策が功を奏して、エネルギーがあるのが当たり前になった。 続きを読む
-
2015/06/16
ドイツの電力事情⑮ 送電線の押し付け合い
ドイツのEnergiewendeのカギを握る一つが、送電網の整備だ。風況の良い北部、特に北海沿岸に多く導入された風力発電の電気を、南部の需要地に運ぶことができれば、再エネ電源を有効に活用することができる。 続きを読む
-
2015/06/12
ドイツの電力事情⑭ ドイツの温暖化対策はどう動く(その1)
2020年以降の世界の温暖化対策のあり方について合意することを目指している今年のCOP21は、パリで開催される(厳密にはパリ郊外)。フランスがホストを務めるとあって、EUにとっては今回のCOPはなんとしても成功させなければならないものと認識されている。 続きを読む
-
2015/06/09
地域で奮闘する若者たちの人物像
書評:田久保 善彦 著「東北発10人の新リーダー 復興にかける志」(電気新聞からの転載:2015年5月15日付)
千年に一度と言われた東日本大震災から丸4年。津波と地震、そして原子力事故が何もかもを根こそぎ奪っていったかと思われた東北の地に、新たな芽が確かに育っている。 続きを読む
-
2015/06/05
日本の2030年目標はどのように決まったか(1)
4月30日に、筆者もメンバーとして参加する約束草案検討ワーキングにおいて、日本の温暖化目標の要綱が示され、大筋で了承された。5月21日時点では、政府が具体的に国連気候変動枠組み条約事務局に提出する原案を作成している。その後パブリックコメントを経て地球温暖化対策推進本部で決定し、条約事務局に提出することとなる。 続きを読む
-
2015/06/02
ドイツの電力事情⑬ ドイツで最も影響力のある経済学者の指摘
-さらなる再エネ拡大には蓄電技術の採算性の確保が必須-ドイツ国民の圧倒的な支持を得て突き進んできた「Energiewende」。エネルギー転換ともエネルギー革命とも訳される通り、脱原発・脱化石燃料をはかり再生可能エネルギー主体の経済に切り替える歴史的挑戦として、注目されてきた。 続きを読む
-
2015/04/21
【緊急提言】誤解だらけの気候変動問題
-基準年はいつにすべきか-日本の2020年以降の削減目標の「基準年」はいつになるのか。一般の方にはそれほど関心のない地味な事柄だが、しかし、基準年をいつにするかで目標の見え方は全く異なる。交渉プロセスにおいては必ず、各国の削減努力の公平性が議論されるので、いわゆる交渉官は基準年の違いによって生じる「見かけの削減量」の大小に騙されることはない。 続きを読む
-
2015/04/16
【緊急提言】誤解だらけの気候変動問題
-省エネに対する期待は”適正”か-日本の温室効果ガス排出量が増加している。環境省が4月14日に発表した確報値では、2013 年度の我が国の温室効果ガスの総排出量は、14 億 800 万トン(CO2換算)となり、 続きを読む
-
2015/04/15
【緊急提言】誤解だらけの気候変動問題
-米国の削減目標に左右されるな-東京で桜が満開になった3月31日、米国が国連気候変動事務局(UNFCCC)に2020年以降の温暖化目標を提出した。昨年11月にオバマ大統領が中国を訪問した際、米中共同で発表した内容と同じく、「2025年までに05年比で26~28%削減する」というものだ注1) 。 続きを読む