英国で考えるエネルギー環境問題
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2015/08/10
英国における再生可能エネルギー補助金カットの動き
5月27日付けの投稿「総選挙後の英国のエネルギー環境政策」において、アンバー・ラッドエネルギー気候変動大臣の就任と保守党単独政権のエネルギー環境政策の方向性についてレポートした。 続きを読む
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2015/06/29
日本の削減目標について(その2)
(前回は、「日本の削減目標について(その1)」をご覧ください)
欧米並みの削減努力≠欧米並みの削減数値
今回の目標数値の議論で残念に思うのは、「欧米なみの削減数値を出さないと国際交渉で持たない」という声ばかりが目立ったことだ。 続きを読む
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2015/06/22
日本の削減目標について(その1)
エルマウ・サミットで安倍総理が2013年比26%減という温室効果ガス削減目標を表明し、同じ頃、ボンで行われている国連交渉の場でも日本代表団から説明がなされた。今後、パブリックコメントを経て7月頃、約束草案を国連事務局に提出する運びとなっている。 続きを読む
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2015/06/04
高効率石炭火力発電所への融資規制は温暖化防止に逆効果だ
地球温暖化問題に対処する上で、忘れてはならないのが現実的な視点である。温暖化問題に関する議論では往々にしてスローガンが幅をきかす。 続きを読む
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2015/05/27
総選挙後の英国のエネルギー環境政策
5月7日の英国総選挙は、保守党、労働党ともに過半数を割り込み、ハング・パーラメントになるとの世論調査の予測を大きく裏切り、保守党が単独過半数を占めることとなった。保守党と連立を組んでいた自民党は壊滅的な敗北を喫し、エド・デイビーエネルギー気候変動大臣も議席を失った。 続きを読む
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2015/04/24
気候変動交渉はなぜ難航するのか?(その3)
国連における合意形成の難しさ
温暖化交渉の淵源は1992年の国連気候変動枠組条約である。温暖化問題はグローバルな問題であるから、全ての国が参加する国連で交渉するというのは否定しようのない正論である。しかし、温暖化交渉が難航している要因の一つが国連という場にあるというのも否定しがたい事実である。 続きを読む
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2015/04/21
気候変動交渉はなぜ難航するのか?(その2)
負担分担の難しさ
マイナス・サムの温暖化交渉の難しさは温室効果ガス削減コスト負担をどう国際的に分担するかという問題に帰着する。温室効果ガス削減コストは、エネルギー多消費産業を中心に産業の国際競争力にも影響を与える。 続きを読む
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2015/04/16
気候変動交渉はなぜ難航するのか?(その1)
温暖化交渉の風刺漫画
気候変動交渉に関する風刺漫画は多い。試みにclimate negotiation, cartoonというキーワードで画像検索してみると、あきれるほど多量の漫画が出てくる。そしてそのどれもが、遅々として進まない温暖化交渉を揶揄したものばかりだ。典型的なものを4枚ほど紹介する。 続きを読む
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2015/04/08
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-パリCOPに向けたEU提案-パリ議定書に向けたビジョンの発表
2015年2月25日、エネルギー連合に関するパッケージと併せて欧州委員会が発表したのがCOP21をにらんだパリ議定書の青写真 ”The Paris Protocol – A blueprint for tackling global climate change beyond 2020” である。 続きを読む -
2015/04/06
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-市場安定化リザーブはEU-ETS再生の決め手となるか(その2)-低迷するEU-ETS市場を立て直すため、短期対策としてのバックローディング、構造対策としての市場安定化リザーブ(MSR)と、欧州委員会があれこれ知恵を絞っている様子を見ると、2011年以降のユーロ立て直しへの悪戦苦闘と重なり合って見えてくる。 続きを読む
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2015/04/02
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-市場安定化リザーブはEU-ETS再生の決め手となるか(その1)-EU-ETS市場の低迷
2030年のEU気候変動エネルギーパッケージにおいて、形式上は温室効果ガス、再生可能エネルギー、省エネの目標を3つ残しつつも、後2者については「EUワイドの目標はあるが、 続きを読む
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2015/03/24
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-エネルギー連合(その3)-前回、2月25日に発表されたエネルギー連合パッケージに関する欧州委員会提案の主な項目を紹介したが、その合意は必ずしも容易なものではない。 続きを読む
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2015/03/20
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-エネルギー連合(その2)-前回、エネルギー連合パッケージ案の5つの柱を紹介したが、それぞれに盛り込まれた主な政策は以下のとおりである。
エネルギー安全保障、団結、信頼
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2015/03/18
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-エネルギー連合(その1)-トウスク首相の提案
昨秋以降の欧州のエネルギー政策でもう一つ注目すべき点は、エネルギー連合(Energy Union)に関する動きである。 続きを読む
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2015/03/16
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-2030年エネルギー気候変動パッケージ(その2)-2030年パッケージの採択
2014年10月23日に首脳レベルで構成される欧州理事会において、2030年のパッケージが決定された。そのポイントは以下のとおりである。 続きを読む
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2015/03/13
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-2030年エネルギー気候変動パッケージ(その1)-昨年9月に「地球温暖化の科学をめぐって」を投稿して以降、半年近くご無沙汰してしまった。久々の投稿である。昨年7月に5回にわたって「欧州のエネルギー・環境政策をめぐる風景感」を投稿したが、その後半年の間に色々な動きがあった。 続きを読む
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2014/09/12
地球温暖化の科学をめぐって(4)
IPCCプロセスに対する政治介入に対する批判は、同じくIPCCのCLAであるハーバード大のロバート・スタヴァンス教授からも提起されている。 続きを読む
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2014/09/01
地球温暖化の科学をめぐって(3)
気候変動交渉に取り組んでいる頃、途上国の交渉官や、環境NGOが「地球とは交渉できない」、「科学とは交渉できない」「だから2度(あるいは1.5度)目標は絶対だ」と、あたかも自分たちが科学を体現しているかのような発言をするのをしばしば聞いた。 続きを読む