執筆者:有馬 純
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2017/12/08
COP23と石炭叩き
(GEPRからの転載)
11月11日~18日にかけてボンのCOP23に行ってきた。パリ協定の詳細ルールは2018年にポーランドのカトヴィツェで開催されるCOP24で合意を目指すことになっている。 続きを読む
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2017/02/27
オックスフォード大の石炭火力座礁資産論に異議あり ー後日談ー
石炭悪玉論が跳梁跋扈している。石炭火力はSOX、NOX、ダストといった大気汚染物質の含有量の多さという弱点を有するが、これらの問題はクリーンコールテクノロジーの導入で克服してきた。 続きを読む
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2017/02/22
カーボンバジェットについて考える
2015年12月に合意されたパリ協定では長期低炭素発展戦略を策定することが奨励されている。これを踏まえ、環境省では中央環境審議会長期低炭素ビジョン小委員会で、経産省では長期地球温暖化対策プラットフォームにおいて検討が行われてきた。 続きを読む
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2016/11/22
トランプ政権誕生に備えた思考実験(その2)
サルコジ前大統領の炭素関税論
前回、「トランプ政権の下で米国のエネルギー・温暖化政策はどうなるか」において、「環境関係者の間で、高い野心を掲げた国々で有志連合を作り、温暖化対策コストを払っていない米国からの輸入に炭素関税、国境調整措置を課するべきとの議論も出てくるかもしれない」と書いた。 続きを読む
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2016/11/18
トランプ政権誕生に備えた思考実験
前回の投稿では、トランプ政権が米国のエネルギー・温暖化政策にどのような影響を与えるかとの点につき、現時点での見立てを記してみた。もとより政権はまだ発足していないし、オバマケアや移民に関する発言の軟化等、選挙中のトランプ氏の言動がどの程度、実行に移されるかはわからない。 続きを読む
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2016/11/15
トランプ政権の下で米国のエネルギー・温暖化政策はどうなるか
米大統領選当選でドナルド・トランプ氏が当選したことは世界中を驚かせた。そのマグニチュードは本年6月の英国のEU離脱国民投票の比ではない。 続きを読む
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2016/11/14
COP22と日本が本当に注力すべきこと
11月7日からマラケシュでCOP22が始まっている。パリ協定が当初の予想を大幅に超えて早期発効したこともあり、会議は祝賀ムードで幕を開けたが、会議3日目には米大統領選の結果に冷や水を浴びるというジェットコースターのような展開になっている。 続きを読む
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2016/07/05
Brexitは英国・EUのエネルギー気候変動対策にどのような影響を与えるのか
衝撃的な離脱派の勝利
本稿を書いているちょうど1週間前の6月24日、英国のEU残留の是非を問う国民投票において、事前の予想を覆す「離脱」との結果が出た。これが英国自身のみならず、EU、世界に大きな衝撃を与えていることは連日の報道に見られる通りである。 続きを読む
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2016/05/26
オックスフォード大の石炭火力座礁資産化論に異議有り
5月12日(木)の日経電子版に「『リスク拡大』批判浴びる日本の石炭火力推進計画」というフィナンシャルタイムズの記事が掲載された。「石炭火力を大幅に増強するという日本の計画は誤った予測に基づき、日本は600億ドル超の座礁資産を背負い込むになる」というセンセーショナルな書き出しで始まる 続きを読む
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2016/04/07
ニカラグアはなぜパリ協定を「拒否」したのか
昨年12月のパリ協定採択の模様を現場で、あるいはウェブキャストで見ていた方は、ファビウス外相が「パリ協定を採択する」と木槌をおろした後で、パリ協定への反対意見を数分にわたって開陳したニカラグアのことを覚えておられると思う。 続きを読む
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2016/02/12
長期戦略イコール長期削減目標ではない(その1)
焦点は国内対策に
昨年末、COP21で盛大な拍手の下でパリ協定が採択され、温暖化防止に対する国際的な取り組みに新たなページが開かれた。もちろん、パリ協定を実施可能なものにするためには、透明性フレームワークを初め、パリ協定発効後に開催される第1回締約国会合までに詳細なルールを策定する必要がある。 続きを読む
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2015/12/28
COP21 パリ協定とその評価(その4)
※【COP21 パリ協定とその評価(その1)、(その2)、(その3)】
パリ協定をどう評価するか
以上のパリ協定をどう評価するか。激しい交渉の結果、成立した合意であり、様々な立場から様々な評価が可能であろうが、ポスト2013年交渉に関与してきた立場から、私見を述べてみたい。 続きを読む
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2015/12/24
COP21 パリ協定とその評価(その1)
12月12日(土)フランス時間午後7時半頃、京都議定書に代わる新たな法的枠組みであるパリ協定が採択された。ファビウス外務大臣が「パリ協定を採択する」といって木槌をおろすと、会場は大きな拍手に包まれた。 続きを読む
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2015/12/11
COP21はいよいよ胸突き八丁
第一次議長テキストの提示
COPに関する現場からの報告は3回目だが、今回は手短に。新聞報道にあるようにCOP21交渉が佳境に差し掛かっている。9日(水)午後、議長国フランスが新たなテキストを出してきた。 続きを読む
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2015/12/09
二週目に入ったCOP21交渉の見方
交渉二週目の交渉状況
「COP21一週目を終えて」に引き続き、現場からの報告をしたい。5日夜のCOP全体会合で議長国フランスのファビウス外務大臣は、自らが議長となり、全ての国に開かれた交渉会合(これをパリ委員会(Paris Committee)と呼んでいる)を設置すると共に、 続きを読む
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2015/12/07
COP21一週目が終わって
COP21の位置づけ
12月4日金曜日からパリのCOP21に来ている。初めて気候変動枠組条約締約国会合(COP)に参加した2000年のCOP6から数えると12回目のCOPとなる。我ながら「よくもまあ」と思うが、これも「腐れ縁」というものであろう。 続きを読む
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2015/08/10
英国における再生可能エネルギー補助金カットの動き
5月27日付けの投稿「総選挙後の英国のエネルギー環境政策」において、アンバー・ラッドエネルギー気候変動大臣の就任と保守党単独政権のエネルギー環境政策の方向性についてレポートした。 続きを読む